松戸スパジオ(千葉県松戸駅前)~その9~
交換率。
パチンコ最大のグレーゾーン、というか、単に事実状態としてそこに「ある」から仕方なくグレーと呼んでいるだけのことで、本質的に完全なブラックゾーンである、交換というそれそのものについてのコメントはしない。
ただ、前々からここに書いていることであるが、「高交換率=良い交換率」、「低交換率=悪い交換率」と言い切ることが誤りであることは、繰り返し述べておきたい。
交換率が高かろうが低かろうが、釘調整次第で良い交換率にも悪い交換率にもなるのだ。
そこで、等価交換という、究極の交換率がある。
究極であるがゆえに、ある意味、それは交換率としてドン詰まり。
ホールが店として利益を出すためには、単純に考えると、等価で許容しうる最低限の回転数(以下、等価ボーダー)だけ回る調整を、全ての設置台に施すことはできない。
その時点で、ホールの赤字になるからだ。
また、パチンコの偶然性というものを考慮すると、ホールとしては保険をかけて、さらに悪い調整にせざるを得ない。
つまり、打ち手としては、数少ない等価ボーダーの台を打っても最終的にトントンになるのが関の山であり、何のために貴重な時間とお金を犠牲にして打っているのか、わからなくなってしまう。
要するには、自分には等価ホールでも店が覚悟して開けている台を見極める目もなければ、開店前に長時間並ぶ体力もない、ということなのではあるが。
それでも、新橋周辺で打つことの多かったサラリーマン時代は、等価ホールでもよく打った。
打てる時間が短いほど、高交換率の方が後から打つ不利さが少ないからである。
自分が等価交換を嫌うのは、自分に眼力も体力もないからでもなく、サラリーマンをやめたからでもない、直接的には。
松戸駅前全体の、高交換率化が、その原因だった。
話を端折ってしまうが、結局、高交換率の営業は、多くのチェーン店を抱えるなどして体力のあるホールでないと、もたない。
客は、単に交換率が高いからというだけの理由で「良い交換率」であるとして、低交換率のホールから去り高交換率ホールへ移動する。
最終的には、ドン詰まりの等価ホール間での争いになり、そこでも淘汰がある。
そして、多くのホールが潰れていく、結果となる。
それが、町全体の高交換率化の流れの、成れの果てだ。
スパジオが交換率を大幅に上げた頃、松戸駅前もほとんどのホールが等価に近い高交換率だった。
もちろん、等価ホールもあった、実名はもちろん挙げないが。
スパジオは最終的には最高で29玉交換まで上げたように思う。
その前後に多少の上げ下げがあったかもしれないが、自分は知らない。
これくらいの交換率になってくると、ほとんど等価と変わらない。
そんな営業を、ホールはしなくてはならなくなる。
その結果生じる客のイメージと言えば、「等価じゃない『悪い』交換率の割に、回らないホール」というところだろう。
もちろん、イメージどころか、交換率を上げてからのスパジオの設置台は、厳しい調整のものが多かった、というのが実際のところだった。
さらに自分を失望させてしまう出来事が起きる。
P-world内のスパジオのホームページの記載内容についてだった。
確か、こんな風なことが書かれていたと思う。
「低い交〇率で良く回っても、当らなければしかたない。それなら、当った時に大きい高交〇率の方が良い」
といった趣旨のことだった。
そんなことを言うなら、「いくら交換率が高くても、当らなければ意味がない」とも言えるのではないか?
このようなことを素で言うなら、パチンコのことをわかっていないだけであるし、まやかし承知で言うならそれはそれで問題だ。
そんな風に思い、花満開煌GLの撤去のこともあって、スパジオに行くことがほぼ、無くなっていった。
松戸にパチンコ以外の用事で行くときに、せいぜい様子を眺めるくらいの、そんな感じになってしまい、そして、そんな自分を含め、客は明らかに少なくなっていた。
交換率を上げる前のスパジオの思い出の品が、自室にはたくさんある。
低交換率は一般的にその性質上、多くの端玉を生む。
スパジオにて端玉で最も多く交換したものと言えば、タバコであり、とろ火焼きという煎餅であり、スパジオのライターだった。
前に、自分はスパジオの羽モノばかり打っていた、そう書いた。
自分がスパジオで羽モノを打っていた当時は、前述の通り定量制。
そうなると、打ち止め終了で帰宅してしまうのでなければ、多くの台を打ち、定量にまでは至らぬにしてもある程度の個数で交換、などして、複数回交換する、ということになる。
その当時の自分のカバンは凄い状態だった。
マイルドセブンライトが、最低5箱は入っているような、そんな状態だったのだ。
もちろんというか、それら全ては、羽モノの交換時に出た端玉で得たものだ。
基本的に安売りというもののないタバコを得られるなら、喫煙家にとってこれほど好都合なことはない。
しかし、いつもタバコを得られる程の端玉が出るとは限らない。
そんな時に、迷わずもらっていたのが、スパジオのライターだった。
100円であるから、25玉、ということだ。
一般的な100円ライターよりも容量の少なめなライターだったが、当時の自分の状態が色んな意味で察することのできることだが、使い切る前に次のライターをもらうということを繰り返した。
そして、その数が明らかに30、40個となったとき、数個を残して学生時代の後輩たちに全て寄付したのだった。
あのライターは、今どうなっているだろう。
ともあれ、交換率が上がったことで、ただ眺めるだけのホールになっていたスパジオだったが、ここ1、2年は様子が違っているように感じられた。
一番客付きが酷かった頃に比べ、客が増えてきているように見えたのだ。
そして、実際に打ってみると、それなりに回る。
交換率を下げることで、良く回る調整を実現して、打ち手を取り戻したのか、そう思った。
実際に、幸運にも持ち玉を得て清算という時に、29玉交換よりは低かったように思う。
もっとも、自分の加齢による呆けの可能性の方が大だが・・・。
ともあれ、回るホールになって、回る台を求める客でスパジオがこれからまた賑わっていくのか、そんな風に期待した。
期待というか・・・、喜びに近い気持ちが、自分にはあった。
これまでの間、余りにも多くのものを失いすぎた。
しかも、そのほとんどが、自力でどうこうなるものでもなし。
その、失ったものの一つが、多少であれ帰ってきてくれるなら・・・。
そんな風な、期待をしていた。
夢を、見ていた。
ある日、またしばしばスパジオへ行くようになった自分は、交換時に25個以上の端玉を生じさせた。
迷わず、ライターを選んだ。
初めてもらった時とは多少デザインが変わったようだったが、ロゴ等基本的なところは変わりのない、そんなライター。
自分の中の、スパジオのイメージに近い、黄色を選んだ。
(続く)
パチンコ最大のグレーゾーン、というか、単に事実状態としてそこに「ある」から仕方なくグレーと呼んでいるだけのことで、本質的に完全なブラックゾーンである、交換というそれそのものについてのコメントはしない。
ただ、前々からここに書いていることであるが、「高交換率=良い交換率」、「低交換率=悪い交換率」と言い切ることが誤りであることは、繰り返し述べておきたい。
交換率が高かろうが低かろうが、釘調整次第で良い交換率にも悪い交換率にもなるのだ。
そこで、等価交換という、究極の交換率がある。
究極であるがゆえに、ある意味、それは交換率としてドン詰まり。
ホールが店として利益を出すためには、単純に考えると、等価で許容しうる最低限の回転数(以下、等価ボーダー)だけ回る調整を、全ての設置台に施すことはできない。
その時点で、ホールの赤字になるからだ。
また、パチンコの偶然性というものを考慮すると、ホールとしては保険をかけて、さらに悪い調整にせざるを得ない。
つまり、打ち手としては、数少ない等価ボーダーの台を打っても最終的にトントンになるのが関の山であり、何のために貴重な時間とお金を犠牲にして打っているのか、わからなくなってしまう。
要するには、自分には等価ホールでも店が覚悟して開けている台を見極める目もなければ、開店前に長時間並ぶ体力もない、ということなのではあるが。
それでも、新橋周辺で打つことの多かったサラリーマン時代は、等価ホールでもよく打った。
打てる時間が短いほど、高交換率の方が後から打つ不利さが少ないからである。
自分が等価交換を嫌うのは、自分に眼力も体力もないからでもなく、サラリーマンをやめたからでもない、直接的には。
松戸駅前全体の、高交換率化が、その原因だった。
話を端折ってしまうが、結局、高交換率の営業は、多くのチェーン店を抱えるなどして体力のあるホールでないと、もたない。
客は、単に交換率が高いからというだけの理由で「良い交換率」であるとして、低交換率のホールから去り高交換率ホールへ移動する。
最終的には、ドン詰まりの等価ホール間での争いになり、そこでも淘汰がある。
そして、多くのホールが潰れていく、結果となる。
それが、町全体の高交換率化の流れの、成れの果てだ。
スパジオが交換率を大幅に上げた頃、松戸駅前もほとんどのホールが等価に近い高交換率だった。
もちろん、等価ホールもあった、実名はもちろん挙げないが。
スパジオは最終的には最高で29玉交換まで上げたように思う。
その前後に多少の上げ下げがあったかもしれないが、自分は知らない。
これくらいの交換率になってくると、ほとんど等価と変わらない。
そんな営業を、ホールはしなくてはならなくなる。
その結果生じる客のイメージと言えば、「等価じゃない『悪い』交換率の割に、回らないホール」というところだろう。
もちろん、イメージどころか、交換率を上げてからのスパジオの設置台は、厳しい調整のものが多かった、というのが実際のところだった。
さらに自分を失望させてしまう出来事が起きる。
P-world内のスパジオのホームページの記載内容についてだった。
確か、こんな風なことが書かれていたと思う。
「低い交〇率で良く回っても、当らなければしかたない。それなら、当った時に大きい高交〇率の方が良い」
といった趣旨のことだった。
そんなことを言うなら、「いくら交換率が高くても、当らなければ意味がない」とも言えるのではないか?
このようなことを素で言うなら、パチンコのことをわかっていないだけであるし、まやかし承知で言うならそれはそれで問題だ。
そんな風に思い、花満開煌GLの撤去のこともあって、スパジオに行くことがほぼ、無くなっていった。
松戸にパチンコ以外の用事で行くときに、せいぜい様子を眺めるくらいの、そんな感じになってしまい、そして、そんな自分を含め、客は明らかに少なくなっていた。
交換率を上げる前のスパジオの思い出の品が、自室にはたくさんある。
低交換率は一般的にその性質上、多くの端玉を生む。
スパジオにて端玉で最も多く交換したものと言えば、タバコであり、とろ火焼きという煎餅であり、スパジオのライターだった。
前に、自分はスパジオの羽モノばかり打っていた、そう書いた。
自分がスパジオで羽モノを打っていた当時は、前述の通り定量制。
そうなると、打ち止め終了で帰宅してしまうのでなければ、多くの台を打ち、定量にまでは至らぬにしてもある程度の個数で交換、などして、複数回交換する、ということになる。
その当時の自分のカバンは凄い状態だった。
マイルドセブンライトが、最低5箱は入っているような、そんな状態だったのだ。
もちろんというか、それら全ては、羽モノの交換時に出た端玉で得たものだ。
基本的に安売りというもののないタバコを得られるなら、喫煙家にとってこれほど好都合なことはない。
しかし、いつもタバコを得られる程の端玉が出るとは限らない。
そんな時に、迷わずもらっていたのが、スパジオのライターだった。
100円であるから、25玉、ということだ。
一般的な100円ライターよりも容量の少なめなライターだったが、当時の自分の状態が色んな意味で察することのできることだが、使い切る前に次のライターをもらうということを繰り返した。
そして、その数が明らかに30、40個となったとき、数個を残して学生時代の後輩たちに全て寄付したのだった。
あのライターは、今どうなっているだろう。
ともあれ、交換率が上がったことで、ただ眺めるだけのホールになっていたスパジオだったが、ここ1、2年は様子が違っているように感じられた。
一番客付きが酷かった頃に比べ、客が増えてきているように見えたのだ。
そして、実際に打ってみると、それなりに回る。
交換率を下げることで、良く回る調整を実現して、打ち手を取り戻したのか、そう思った。
実際に、幸運にも持ち玉を得て清算という時に、29玉交換よりは低かったように思う。
もっとも、自分の加齢による呆けの可能性の方が大だが・・・。
ともあれ、回るホールになって、回る台を求める客でスパジオがこれからまた賑わっていくのか、そんな風に期待した。
期待というか・・・、喜びに近い気持ちが、自分にはあった。
これまでの間、余りにも多くのものを失いすぎた。
しかも、そのほとんどが、自力でどうこうなるものでもなし。
その、失ったものの一つが、多少であれ帰ってきてくれるなら・・・。
そんな風な、期待をしていた。
夢を、見ていた。
ある日、またしばしばスパジオへ行くようになった自分は、交換時に25個以上の端玉を生じさせた。
迷わず、ライターを選んだ。
初めてもらった時とは多少デザインが変わったようだったが、ロゴ等基本的なところは変わりのない、そんなライター。
自分の中の、スパジオのイメージに近い、黄色を選んだ。
(続く)
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